高鳥屋山

 高鳥屋山は、伊那谷の南部に広がる飯田・山本地区へと広がる扇状地を持つ山で、地域の水を支える大事な山であるだけでなく、遠方からも、その緑豊かな山景は美しく、脇を固める梨子野(なしの)山と風越山と並んで、多くの人に親しまれている山です。

 南アルプスの山々と伊那谷の要所が一望できる高鳥屋山は、中世の山城や武田信玄の狼煙台、そして織田・徳川連合軍の武田氏攻略になど利用されるなど、別名坊主ケ城、狼煙台とも言われています。

 山頂付近からは南アルプスの稜線が目の前に広がり、1400m弱の標高の山とは思えないほどの大パノラマを味わうことができます。また、梨子野峠から高鳥屋山までの道は、なだらかな稜線の散策道となっていて、水源の森を気持ちよく歩いて行くと、目の前には恵那山が広がり、中央アルプスの南部を構成する、摺古木山と安平路山の美しい景観を楽しむことができます。

 梨子野峠は、幕末に水戸浪士が通ったことを記した碑があります。登山口となる下清内路にも関所の碑があり、水戸浪士がここを通過した責任を取らされ関所役人数人が自害させられたとあります。信州の南部は、日本の主要な道が通じていて、その時代の中心でもある尾張にも近かったことから、清内路や浪合などの関所は厳しく、越えるぐらいだったら土を掘ったほうが早いと言われるほどでした。
今では春には美しい山桜が咲き、足元ではスミレの絨毯が春を彩ってくれる美しい清内路街道の梨子野峠です。気持ちのよい晴れた日に、江戸時代末期から明治時代にかけての大きなうねりを感じながら歩くのもいいかもしれません。


 コース

■家族・初心者向け
所要時間:往路 約2時間・復路 約2時間
往路:下清内路→梨子野峠→三叉路→高鳥屋山
復路:高鳥屋山→三叉路→松沢→下清内路

 


より大きな地図で 阿智村セブンスサミット を表示

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>